豊賀(長野/高沢酒造)

小布施の隠れた銘酒

長野県、小布施駅より徒歩15分ほど、栗やリンゴ畑を抜けた穏やかな景色を望む場所に蔵を構える高沢酒造です。
レギュラー銘柄として米川、限定銘柄として豊賀(とよか)を醸す。
豊賀の味わいは濃醇旨口タイプ。濃醇旨口とはどんなお酒かというと、淡麗辛口の真逆の味わいだと思って頂ければ良いと思います。濃く、ボリュームある旨味を存分にお愉しみ頂ける、力強い味わいです。
このお酒を醸しているのは、醸造元のお嬢さん「高沢賀代子」さん。小柄でかわいらしい(!?)女性なのですから、意外と思われるかもしれません。
しかし、豊賀を味わってみると確かにボリューミーでどっしりとしたお酒ではあるものの、フルーティーなニュアンスや、洗練された旨味、軽やかな果実味、まろやかな口当たりに、はっきりと女性らしさを感じさせてくれます。
繊細でキレイな旨味をギュッと濃縮した様な味わいは、女性にも飲みやすいお酒だと思いますし、また、飲み応えもしっかりですので、お酒を飲み慣れた方にも満足して頂けると思います。
地上に舞い降りた天女がお酒を造り このお酒は病を癒し、村人を幸せにしたそうです。 やがてこの天女は神様として祀られ 豊宇賀能売命(とようかのめのみこと)となりました。 皆様が幸せになれる酒となるよう 天女の名前をいただきました。
24BYの裏ラベルにある様に、まさに、満足感や幸福感を感じる様な味わいと言えます。

こだわりの少量生産

この豊賀という銘柄の生産石高はたったの15石しかありません・・・。一升瓶で言うと、一年間に1500本しか生産していないのです。これだけしか生産して居ないのに、日本酒ファンへの知名度という点ではかなりのもので、これは、豊賀の味が各方面で認められている証拠だと思います。
当店へも、「近所に売ってないので・・・」と、わざわざ遠方からお買い求めに来られるお客様もいらっしゃいます。淡麗辛口のお酒に飽きた方に是非お試し頂きたい、洗練された濃醇旨口酒です。

また、見学をさせて頂いた際にもイロイロとお聞きしたのですが、毎年、蔵設備等々についてもマイナーチェンジを繰り返しており、特に24BYの酒質の向上に関しては蔵元の自信が溢れておりました。他蔵が、寒さや米の硬さの影響で米が溶けずに困っている中、あるマイナーチェンジがヒットし、豊賀は、かなりスムーズな発酵を経たということです。たしか味わいが「洗練」されております。マイナーチェンジの内容はお聞きしたのですが、秘密かもしれないので、一応伏せておきますが・・・。
蔵元の豊賀ブランドへの思い入れも深く、時に満足がいかない出来であった場合、米川ブランドの安いお酒などとして使用してしまうなど、採算度外視で、豊賀の品質に高みを求めています。
その様なコダワリは生産量などに如実に表れることもしばしば、実際、24BYでは仕込み本数を減らしたため、イキナリ出荷制限となっております。酒屋としてはちょっと困るのですが・・・この様な高沢酒造の姿勢は、事実です。だからこそ、信頼してこのお酒を楽しんでいただけるのではないでしょうか。

※記事は2013年頃のもの

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