越前岬(福井/田辺酒造)

永平寺御用達

蔵元のある永平寺は曹洞宗大本山「永平寺」のお膝元。
蔵には「永平寺御用達」の看板が掲げられております。
永平寺町の中でも、九頭竜川の下流に位置する松岡地区(旧松岡町)は清流の町として知られ、また福井平野の中心部で米処でもありますから、酒造りにおいて最適の環境なのです。
昔は、この松岡には17もの蔵元が在り、県内有数の酒処として知られました。

ストイック&パッショネート

少量生産・手造り 生産石数450石は、本当に生産量が少ない酒蔵のひとつです。
蔵の規模から言って、もっと造れそうだと思いましたが、しかし、この量が限界だそうです。
なぜ、そんなに少ないのかと言うと、手造りだからです。 本当に一切手抜きをしていない!!
現在も和釜を使用し、仕込みも小さく、木槽で酒を搾ります。
ストイックな酒造り そして、しっかりと熟成させることで酸味や甘みのバランスを整え、個々の味が美味しくなった頃に出荷します。
本醸造酒で半年、吟醸酒で1年間は最低熟成させるのです。 特筆すべきは、全てのクラス(本醸造でも)で「これ」を行っている事です。(滅多にそんな蔵はありません・・・)
このストイックな酒造りに対する姿勢には、ただただ感服してしまいます。 地元の為のお酒であること 「地元の人に喜んでもらえる酒を造りたい」・・・そんな想いで、本醸造クラスでも、決して手を抜けないのです。
そして、「徹底した吟醸造り」・・・なんと、蔵の仕込み全体の平均精米歩合は56%で、特定名称酒の割合が95%、その中で大吟醸は少量タンクで8本以上は造らないという方針を実践しています。
なるほど・・・これは450石で限界でしょうよ・・・と思う今日この頃なのでした。
越前岬は、20年以上に渡って「越前岬」を支えてきた杜氏、鷹木美芳氏と、若き蔵元兄弟が醸しています。全国新酒鑑評会では平成12年~平成17年まで6年連続金賞受賞(平成に入り、通算9度金賞受賞)の実力ある蔵元です。
現在、鷹木氏がご高齢な事もあり、徐々に蔵元兄弟へ「越前岬」の味は受け継がれつつあります。
そして、田辺兄弟の酒造りへの姿勢もストイック&パッショネート!!
一見、物静かな兄弟ですが、酒の話になると自然と熱を帯びてきます。
そんな「情熱が見事に表現された酒」が増えてきており、グングン全体の酒質が向上しています。

※記事は2010年頃のもの

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