前と書いてサキ
古伊万里酒造はその名の通り、伊万里焼で有名な佐賀県・伊万里市にある。
佐賀駅から車で1時間、博多駅から車で1.5時間位の場所です。
古伊万里酒造を営む前田家は、江戸時代、伊万里の港で呉服店を営んでいましたが、明治42年に酒蔵に転身。
現在は社長の前田くみ子氏と前田悟氏を中心に酒造りを行っています。
古伊万里というメインブランドから、更なる前進を図るため、2018年に限定銘柄・古伊万里 前(こいまり さき)を投入し、人気を博しています。
蔵の外観は体育館の様なかまぼこ状で、入口にはおしゃれな売店も併設しています。
元々は瓶詰ラインとして数社合同出資でつくられた建物を買い取ったらしいです。
毎年3月には蔵開きが開催され、たくさんの日本酒ファンや地元の方々が集まりますが、敷地も広く、そういったイベント事にもピッタリなスペースだと感じました。
人気の佐賀酒
佐賀県は米処としても有名で、鎌倉時代には肥前酒として幕府に献上したという歴史をもった酒処でもあります。
西に行くほど酒は甘く、濃くなる。と言われるが、佐賀のお酒も基本的にはその様なタイプが多い。これは、食文化的にお料理の味付けが濃くなる事から、それに比例してお酒も濃くなってゆくのだと言われています。
しかし、全国的に味の嗜好が濃くなってきていると考えると、現在の佐賀酒の人気も頷ける気がします。
佐賀酒の人気は味だけではなく、若手蔵元が中心となり、官民一丸となって佐賀酒のPRを行っているところも大きいです。
原産地呼称制度を導入したり、佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例も制定。東京などの首都圏で、他県とは違った切り口で面白い日本酒イベントを開催しています。
2019年の情報では佐賀県が日本酒消費額で全国1位となったらしいです。
古伊万里 前の味わい
古伊万里酒造も佐賀のお酒ならではの甘味が特徴ですが、都会的な洗練度を感じさせます。
繊細な舌触りに素直でリッチな甘味を感じさせながらも、想像以上のシャープネスをもち、軽やかにすら感じさせてくれる様なラインナップを中心に、近年は、火入れにしてフレッシュを閉じ込めるスタイルも確立しつつあります。
看板商品の垂直落下式は雫取りの別名としてプロレス好きの前田悟氏が命名。ダイナミックかつ繊細な米の甘味を楽しめる逸品です。搾りの風景もかなりダイナミック。
ちなみに、古伊万里前の酒質は一様に洗練されており、蔵の外観からも、近代的な酒造りを想像してしまいますが、設備や作業を見てみると、ゴリゴリの手造りでお酒を造っています
海外品評会でも高評価!
また、海外の品評会での評価の高さは特筆すべきで、Joy of Sake 2013 では純米吟醸が吟醸部門のグランプリ(No.1)に輝いたり、International Wine ChallengeやKura Masterなどでも毎回好成績を収めています。古伊万里前の洋食との相性の親和性の高さを実証していると言えます。もちろん、ワイングラスでお楽しみ頂くのもオススメです。
※記事は2019年6月頃のもの
⇒ 古伊万里 前 商品一覧
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